円満退職する秘訣とは
退職の意思表示の仕方
転職をすると心に決めて、いざ今の勤め先の退職を決断したとき、気まずい去り方は避けるようにしましょう。というのも、介護業界は意外と狭く、万が一にも後味の悪い退職をしようものならば、悪評が広まってしまう可能性も否めません。そのため、これまで勤めた職場や上司、仲間へは誠実に対応することが大切です。
そうした後腐れのない円満退社をするには、いくつかのポイントがあります。
まず、退職する意思が固まったら、直属の上司へ相談しましょう。間違っても、本人が相談する前に周りから退職の意思が上司へ伝わることがないように気をつけなければいけません。直属の上司、それから施設長へと段階を踏んで退職の意思表示をし、退職日が確定するまではできるだけ周りには内密にしておくことが理想です。
また、退職希望日ギリギリでの相談は、退職の意思表示を伝えるタイミングとしてマナー違反に値します。現場の混乱を避けるためにも、できれば退職日の3ヶ月前に、せめて1ヶ月前までには伝えるようにしましょう。
そして、退職理由の伝え方も心得ておくべきポイントです。あまりにも曖昧な理由や腑に落ちない理由だと真剣に受け止めてもらえずに、場合によっては引き止められることも考えられます。そのため、自身の体調不良や家庭の事情といった理由でも、具体的かつプライベートな問題で介入しにくい事情を添えて、仕事を継続する意思がないことをはっきりと伝えましょう。相手へ納得してもらえる退職理由を前もって考えておくことが大事です。
また、職場に対してどんなに不平不満があるとしても、決して愚痴を退職理由としないように気をつけましょう。円満退職するためには、気まずくならないような去り方で計画的に進めることが大切です。
余裕を持って引き継ぎを
介護現場は人手不足の傾向にあり、担当を決めてシフトの中でやりくりしているところがほとんどです。そのため、退職日近くになって業務の引き継ぎをするとなっては、引き継ぎをする方もされる方も双方の気持ちが落ち着きません。退職日が確定次第、早めに引き継ぎの準備を始める方が良いでしょう。
具体的には、これまでのレクリエーションの準備方法や利用者さんの対応で気をつけるべきこと、書類の作成方法などを文書に残しておくか、もしくはマニュアル化するという手もあります。特に、自分一人で担っていた業務については、仲間や利用者さんの迷惑にならないようにしっかりと具体的に記して後任へ引き継ぐことが大事です。引き継ぎの期間としては、約1ヶ月を目処にスケジュールを立てるのが望ましく、できれば引き継ぐ業務を後任者と一緒に担当して身を持って伝えると、なお確実性が増します。最後の最後まで気を抜かずに自分の仕事を全うしたという充実感を得られ、同時に職場からの信頼感が高まることでしょう。介護業界で引き続き活躍するなら、断然「立つ鳥跡を濁さず」に円満退社を目指す方が得です。