コミュニケーションの本来の目的とは
コミュニケーションは大切
耳が聞こえづらかったり、思うように身体が動かなかったり、健常者と比べて介護の利用者さんはコミュニケーションをとることが難しいものです。その難しさからコミュニケーションを苦手だと感じてしまう介護職の人も多いと思います。しかし、コミュニケーションは介護の土台になるものなので、苦手とはいってられないものですよね。苦手と感じてしまう人はまず、なぜコミュニケーションが大切なのか、その目的はなんなのか、という部分を今一度考えてみることから始めてみましょう!
目的とは?
介護で大切とされるコミュニケーションの目的は、ズバリ信頼関係の構築です。極端な話をすれば、信頼関係の構築さえできれば上手な話術はいりません。円滑におしゃべりをすることは、できればなお良いですが、絶対に必要なことではないんです。
介護は利用者さんとの協力で成り立つので、信頼関係を構築することができれば業務もスムーズになります。そしてこちらからの提案も受け入れてもらえることも多くなるでしょう。利用者さんのデリケートな領域に踏み込む排泄介助や食事介助などは、強い信頼関係があるからこそ提供できます。この重要な信頼関係を築くために、コミュニケーションが大切だということですね。
コミュニケーション上手とは
どんな利用者さんでもすぐに打ち解けて会話をすることができるというのは、確かに理想的かもしれません。ですが、それはあくまでも理想であり、現実的にはとても難しいものです。つまり、すべての利用者さんから全幅の信頼を得ることができないからと言って、コミュニケーションが苦手だと認識することは正しくありません。特定の利用者さんから信頼を得ることができるというだけで、十分コミュニケーションができていると考えて全然問題ないです!
会話が苦手であまり言葉が出てこないという人も、真摯に接して親身に寄り添う態度を示すだけでコミュニケーションになっていることもあります。また、あまり喋ることを好まない人もいるように、自分のコミュニケーションの合う合わないがあります。たとえ会話ではなくても信頼関係を構築することができていれば、コミュニケーションの目的は十分に達成できているんです。つまり介護の現場におけるコミュニケーション上手な人とは、すべての利用者さんと途切れずスムーズな会話ができるということではなくて、それぞれの状態や好みに合わせた対応ができる人、ということなんです。その結果、特定の利用者さんとの間だけでもデリケートな介助を任せてもらえるような信頼関係を構築できているなら、十分「コミュニケーションがとれている」と言えるんですよ。