秘密の共有でぐっと近くなる心の距離
本当に求められていることを探る
利用者さんからのわがままは断る際に言葉選びに困ったり、わがままを断ること自体をストレスに感じてしまうこともありますよね。わがままの対処を間違ってしまうとクレームにつながったり、せっかく築いた信頼関係を壊しかねないものでもあります。このような扱いの難しいわがままの対処は、裏に隠されたニーズを探ることが大切です!
例えば食べ物を持ってきて欲しいとわがままを言われた場合には、本当に食べ物が欲しくてわがままを言っているとは限りません。実は寂しくて話を聞いて欲しいからわがままを言っていることも十分考えられますよね。それならば、スタッフルームの前まで車椅子で移動して、気持ちが落ち着くまで世間話に付き合うという対処もできます。
このように利用者さんからわがままが出た時には、そのまま受け取るのではなく何が欲しいのかを考えてみると対処法はいくつか考えられるはずです。そしてただわがままを聞き入れるよりも信頼関係の構築に結びつくこともありますよ。
秘密にして欲しいとお願いする
秘密を共有することは信頼関係を構築する助けになってくれることがあります。そのためわがままを聞き入れる場合には「秘密ですよ」という一言があると、お互いに秘密を共有することになって信頼関係を強くしてくれます!さらに言えば「秘密にしてくださいね」という表現にすると、あとで怒られるかもしれないことを頑張ってくれたと評価してもらえることもあります。そこで今後はわがままを言わないようにしようと思ってもらえるかもしれないので、わがままの対処としては効果的です。
すべてを叶えてあげることは難しいこと、施設の決まり上できないことを伝えて「今回だけは秘密です」とわがままを聞いてあげることは、信頼関係の構築に有効な手段です。しかし、認知症を患っている利用者さんに対しては、記憶障害で忘れてしまうこともあるので、わがままを助長してしまうケースもあります。そのため、すべてのわがままの対応で使うことはできないということは注意しておいてくださいね!
そして、本当に秘密で対応するのではなく、事前に上司や同僚に対して今回だけこういった対応をさせてくださいときちんと伝えましょう。もし自分ひとりの対応で食べ物を秘密で渡すと、誤嚥してしまうなどの事故につながってしまうこともあります。事故が起きないかどうかを自分だけで判断するのはとても危険なので、わがままの対応に関しては上司や同僚にきちんと相談してからにしましょう!